運動は痛みに良いか? ~有酸素運動編~
トレーニングについて
ご閲覧いただき、ありがとうございます。
私は、静岡県浜松市にあります寺田痛みのクリニックに勤務している理学療法士の佐久間です。
普段、肩や腰などに痛みを抱えている方のリハビリや、医学に基づいたトレーニングジムHUBにて各々の目標にあわせたパーソナルトレーニングを担当しております。
当院の理学療法士は、聖隷クリストファー大学大学院にて『痛みと運動療法に関する研究』を行う痛みの理学療法の専門家です。このブログでは、痛みと運動の関係について分かりやすくお伝えしています。
今回は、「運動は痛みに良いか? ~有酸素運動編~」の話題を掲載したいと思います。
当院では、慢性的な痛みをお持ちの患者様に理学療法士による「運動療法」が処方されることがあります。
さて、運動療法ですが、痛みをお持ちの患者様にとってどのような効果があるのかを簡単にご説明したいと思います。
運動療法と一言でいっても、いろいろとありますので、今回は「有酸素運動」でお話を進めさせていただきます。
まず、「有酸素運動」とは、ウォーキングやランニング、水泳、ダンス、等々、軽~中程度の負荷を継続的にかける運動のことをいいます。
皆さんの「有酸素運動」のイメージと合っているでしょうか?
痛みをお持ちの患者様にとっての有酸素運動の効果は、以下のようなものが挙げられます。
- 身体の機能(筋力や柔軟性、心肺機能)が向上する。
- 痛みが軽くなる。
- 痛みを感じにくくなる。
- 気分爽快感がある。
- ストレス(イライラや不安などといったマイナスの感情)が少なくなる。
などがあげられます。ここに挙げたもの以外にも様々な効果があります。
もちろん「運動」をするのですから、①の身体機能の向上はわかりますよね。
③の「痛みが感じにくくなる」は、少々ややこしい表現をしています。
慢性的な痛みをお持ちの患者様は、痛みに過敏になって余計に痛みを強くしている(感作の)状態です。有酸素運動は「今ある痛み」の軽減にも繋がりますが、この痛みに対する過敏性も改善してくれるのです。
また、近年の「痛み」と「運動」の研究では、運動が心理的効果にも役立つと科学的に証明されています。
運動を継続して行うと「ランナーズ・ハイ」という現象があることはご存じでしょうか?
このランナーズ・ハイは、一定量の運動を実施すると気分爽快感・高揚感が生まれることで、運動の苦しさや、痛み、ストレス(イライラや不安などといったマイナスの感情)が少なくなるという現象です。
このブログを読んでくださっている方も、運動をすると身体がスッキリする、気分が明るくなる等、運動が自分を良い方向に導いてくれる経験がありませんか?
運動は、身体を強くするだけでなく、心を強くするのです。
ただ、運動もがむしゃらになんでもやればよいというわけでなく、適切な方法・負荷量などがあります。闇雲に実施すると、かえってケガや痛みの悪化につながる恐れもあります。
我々、理学療法士が適切な運動療法を実施するお手伝いをいたします。
やる気はあるのに何をしたらよいかお困りの方、ぜひご相談してください!