痛みとは何か?
トレーニングについて
ご閲覧いただき、ありがとうございます。
私は、静岡県浜松市にあります寺田痛みのクリニックに勤務している理学療法士の河合です。
普段、肩や腰などに痛みを抱えている方のリハビリや、医学に基づいたトレーニングジムHUBにて各々の目標にあわせたパーソナルトレーニングを担当しております。
当院の理学療法士は、聖隷クリストファー大学大学院にて『痛みと運動療法に関する研究』を行う痛みの理学療法の専門家です。このブログでは、痛みと運動の関係について分かりやすくお伝えしています。
今回は、「痛みとは何か?」についての話題を掲載したいと思います。
みなさんは、「痛み」とは何だろうと考えたことはありますか?
多くの方は「痛みがある=傷がある,骨折,捻挫,炎症」といったように,何かしらの外傷を受けたときのことを想像されるのではないでしょうか?
では、失恋をした時の胸が締め付けられるような「痛み」や多くの人の前でスピーチをするときに緊張でお腹が「痛く」なること等、みなさんが日常で経験する外傷のない痛みはどのように説明できるでしょうか?
このことから、決して痛みはケガなどをして傷があるかどうかだけではないということが分かります。
そもそも「痛み」というものの定義をどのようにするのかは、今までもずっと議論されてきました。現在、世界で最も大きい痛みの学会(国際疼痛学会といいます)では,
「組織損傷が起こったあるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験,あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」と定義されています。
・・・これだけでは、訳が分かりませんよね。
簡単にすると、「あなたが痛いと思ったら、それは痛みである。」ということです。
そこに、ケガなどによる傷があるかないかは、関係ありません。
本人がそう思っているのであれば、傷があっても「痛い」し、なくても「痛い」ということです。
「痛み」は身体の感覚のなかでも非常に厄介な感覚で、実際の傷を受けても痛みを感じますし、傷がなくても痛みとして感じてしまいます。
特に、不安や緊張、恐怖感などといった、ネガティブな感情は痛みを増幅させたり、それ単体が痛みとして、脳が反応してしまうことがあります。
過去に、①実際に痛みを受けている人と、②「痛そうな」場面を見ている人の脳活動を計測したところ、両群ともに同じような脳の反応が認められたという実験研究があります。
痛そう(不安、恐怖など)・・・という感情が、実際の痛みと同様の反応を示すということです。
痛みを司っているのは【脳】です.
そのため,痛みの治療は,もちろん痛みのある部位を治療するのは当然ですが,
【脳】に対してもアプローチしなければなりません.
当院では,痛みを感じる脳へのアプローチ1つに運動療法があります.
実際に,運動を行うことで痛みが軽減することや,脳に対する治療となることも明らかになっています.
運動をいいことだとわかっていながらも,どのような運動をすればよいかわからない方を全力でサポートさせていただきます!!